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WORKSHOP

【講師紹介】学校では味わえない音楽の楽しみを

Instructor Interview – 渡邉 直子

conoyubiワークショップでは「おやこでおんがくあそび」のご担当をされている渡邉直子さん。ご自身の子育ての経験を経て音楽療法と出会い、音楽療法士の資格を取得。音や楽器であそぶことで、子どもたちが気持ちを発散できる場をつくられています。音楽療法をベースにした「おんがくあそび」とは。いままでとこれからのお話、お伺いしました。


「自分らしく楽しむ」気持ちを発散できる場所

「おやこでおんがくあそび」とは、音楽療法をベースにした「新しい音楽の楽しさ」を、ママもお子さまもいっしょに感じていただけるクラスです。「自分らしく楽しむ」をキーワードに、とにかく楽しむこと、気持ちを発散させることを目的にしています。

音楽療法というのは、リトミックや音楽教室とは違い、音楽の持つ作用を治療の中に用いて効果を得ようとする健康法、あるいは補完医療になります。音楽を通してリラックスできる、活力が出てくる、自然に身体が動く、曲にまつわる過去の記憶が鮮やかによみがえる、そんな生理的・心理的な効果を応用して、心身の健康の回復、向上をはかる事を目的としています。

対象はお子さまから高齢者まで幅広く、高齢者であれば認知症の予防やレクリエーションとして、お子さまの場合は発達にお悩みがある場合に取り入れられることが多いです。

しかし「おやこでおんがくあそび」はグッと間口を広げています。そのようなお悩みの有無に関わらず、とにかく楽しむこと、気持ちを発散させることが目的です。そうすることで、もっと意欲的になり、その日を楽しく過ごすという気持ちを育みます。心と身体がすっきりすることで幸福感も向上します。「おやこでおんがくあそび」は、ママとお子さまにとってそんな環境にできればと考えています。

音楽がちょっぴり苦手なママさんでも安心

プログラムは月齢や人数により毎回変えています。しかし、呼吸や声への意識など、音楽療法で大切なことは変えていません。また、外国の楽器を使った合奏や、感覚を使った身体遊びも取り入れています。振るだけ、叩くだけですぐにできてしまう合奏や、見た目にもおもしろい楽器を鳴らして親子でいっしょに楽しみます。

また「先の見通しを立てる」ことは音楽療法でも大切にしていること。だから「きょうは何をやるの?」という不安を解消するために、まずは全体の流れと時間配分をキャラクターを使いながら説明します。ママが歌うことや何かを発表することはありません。小さなお子さまはもちろん、音楽がちょっぴり苦手なママさんでも安心してご参加いただけます。

自身の子育てを経て出会った音楽療法

出身は静岡の御前崎という街です。海沿いで灯台も近く、街並みの雰囲気は旭にとても似ています。その後、進学のために地元は離れましたが、社会人となってからは医療系の秘書として勤務。ハードワークではありましたがすごく充実してました。忙しいことが楽しいと感じられていたので、長く働くことができていました。結婚後は夫の転勤で島根、松戸と移り住み、2年前から旭で暮らしています。

音楽療法との出会いは、わたし自身の子育ての経験からでした。子どもを育てていく中で、「子育てとはこんなに難しいのか」と感じるようになり、調べれば調べるほどでてくる情報に翻弄され、さらに不安になる。行政にも頼りましたが、思うように進みませんでした。そんな中、じっとしていられない気持ちが湧いてきたときに出会ったのが音楽療法でした。

「大丈夫だよ」と守られる環境を作ること

音楽療法を通して、自分の子どものことをもっと知りたいということだけではなく、世の中には悩まれているママさんが大勢いるのではないか、いろいろなことを不安に”思わなければいけない”状態だとしたら、少しでもお力になれるのではと考えました。幸いにも幼少期からピアノを続けており、音楽は大好きでした。吹奏楽部ではホルンを演奏し、大人になったいまでも音楽サークルを主宰しています。そのため音楽療法と出会ったときは「これだ!」という、何か閃きのような感覚がありました。

その後、全国音楽療法協会の学校に通い音楽療法士の資格を取得。学校では実際のプログラムを作る試験や心理学を含めた論文の提出も行いました。また、音楽療法の定義を知ったことも、この道を歩もうと決めた理由のひとつです。音楽療法は、子どもが気持ちを発散できる場所であること。できないことができるようになるというよりも、もっと意欲的になれたり、その日を楽しく過ごすという気持ちを育むこと。子どもが何かをできる、できないで判断をするのではなく、「大丈夫だよ」と守られる環境を作ること。

勇気を出して初めて参加したワークショップ

子育てで悩んでいた当時を振り返ると「ワークショップというのはきっと、キラキラしたママがいくところなのかな。わたしが行けるようなところではないわ。」という気持ちでした。しかし転勤が多く、その都度仕事を辞めるため、社会とのつながりが恋しくなりはじめた頃、思い切ってワークショップに行ってみました。結果、疲れはしたけれど、行ってよかったと思えたんです。だからこのクラスも、そのような場所を必要としている方へ情報が届き、もし勇気を出して足を運んでいただけたのであれば、絶対に楽しく過ごしていただきたい。そんなママにも是非来ていただきたいと思っていますし、そんなことを意識しながらクラスを行なっています。

身近な声に届く形で存在していたい

音楽療法士として活動をはじめましたが、積極的な集客活動は行っていません。必要な方が必要と感じたときに、あくまで身近な声に届く形で存在していたいと考えています。

クラスを続けていく中で、常に感じていることは「子供たちのことをもっと知りたい」という気持ちです。そのためクラスでは、危険が伴わない限り、子どもの行動を制限することはありません。こんなこともできるんだと、わたしが子どもから学ばせてもらっています。そして近い将来、子どもの心理を体系的に学びたいとも考えています。子供の心を学ぶことで音楽療法にも活かせますし、それらを組み合わせることでさらに”楽しい”プログラムができるのではないかと考えています。

お悩みの有無に関わらず、たくさんのお子さまがクラスで気持ちを発散し、楽しんでほしいと思っています。そしてママさんには、「お子さまのことをしっかり認める人間は他にもいますよ」と認識してもらえると嬉しいです。音楽を通して生まれる「非言語コミュニケーション」で、ママとお子さまの生活がより豊かになるよう願っています。


Profile
渡邉直子

旭市在住。音楽療法士。小学生と幼稚園児 2 男 1 女の母。

自身の子育ての中で発達の悩みを持ち続けていたことから、子どもたちが抱える「生きづらさ」について考えるように。「その子らしさ」を表現出来る場を音楽で実現したいと音楽療法を学び、学校や教育の場では味わうことの出来ない音楽の楽しみを子供たちに提供しています。

個別音楽療法では児童発達支援士の資格を生かし、お子さまの発達に寄り添うプログラムを提供しているほか、「おんがくあそびの会」やママが気兼ねなく音楽を楽しめる場として、ママのためのアンサンブル団体も主宰しています。

・きみのおと音楽療法
https://www.instagram.com/kimino_oto/

#conoyubi_渡邉直子

*ご予約時、定員に達している場合は選択できません。

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